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第36回

午前7時半。

三人が搬送された病院に着いた。

意を決してドアを開ける。

TOKIの様相を見てビックリする看護師達。

「あの、4時間程前に…」
「あぁ、あの方達の友達?一緒に乗ってたの?」
「僕が運転してたんです」
「そうなの…」
「あの、それで、三人は…」

TOKIは心で強く無事を祈りながら聞いた。

「大丈夫よ。命に別状は無いわ。三人とも裂傷だけです」
「…そうですか」
「でも、男性の方と一人の女性の方は顔に傷があるから顔に包帯を巻いているけど驚かないでね?」
「傷はヒドイんですか?」
「ううん、ガラスの小さな破片が刺さっただけだから、残るような傷にはならないと思うわよ」
「そうですか!」
「今、三人とも寝てるけど、様子を見ていく?」
「ええ、是非」
「あなた、ひょっとして現場から歩いて来たの?」
「いや、搬送された病院からです」
「あなたは検査をしたのね?大丈夫なのね?」
「大丈夫です!」

自分が大丈夫かどうかなんて、どうでも良かった。

今は、すぐにでも三人に会いたい。

病室に案内されて三人に会う。

一番血塗れだった菊池の顔には目の部分を残して、全て包帯に包まれていた。

自分のした事の大変さを痛感した。

ベッドに近寄る。

気配に気づき、目を覚ます菊池。

TOKIは顔を近づけ

「わかるか?俺だ」と囁いた

「ん、おぉ…」
「大丈夫か?」
「貸し一つだぞ?」
「え?」
「お前に貸しが一つ出来たって言ってんだよ」

…心が痛かった。

菊池の優しさが痛い程にTOKIの心を貫いた。

TOKIの服装に気付いた菊池は

「お前、その格好って…」
「俺の事はいい」
「いいって、お前、ちゃんと病院行ったんだろうな?」
「あぁ、行った」
「行ったのに、何で、こんな時間にこんな所に居れるんだ?第一その格好はおかしいだろ?」
「いや、やる事があるからな」
「おい!変な事考えんじゃねえぞ?」
「お前達に何かあったら、それも考えたけど、それは大丈夫だ」
「そうか…」
「二人の女の子の様子を見てから、ここを出る」
「わかった、後は俺に任せとけ」
「あぁ、頼む」

二人の女の子の病室を見舞った。

幸い菊池ほどの外傷ではないようだ。

眠っている女の子達を後にし、TOKIは病院の出口へと向かった。

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