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第77回

Kill=slaydはワンマンを中心に活動できるまでになっていた。

ホームグラウンドである市川CLUB GIOでの2days、目黒鹿鳴館でのワンマンもこなし、時は1995年を迎えた。

新たなるCD「ペリフェラル」を引っ下げ、かねてから憧れの会場であった日清パワーステーションのワンマン公演も決まった。

この頃になるとKill=slaydの知名度は非常に高くなっており、注目度はウナギ昇りになっていた。

そんな時、自宅に知り合いから一本の電話が鳴った。

「久しぶりだね、どうしたの?」
「あの、頼みがあるんですけど…」

彼の頼みとは、彼の知り合いのバンドスタッフから「ウチのバンドがトラブルに巻き込まれそう」との相談を受け「それに対処できる人はいないか探して欲しい」との相談を受けたとの事。

そのトラブルの内容とは、かなり粗暴な事で名を馳せていたバンドと、そのスタッフが受け持つバンドが、どうやら一緒にライヴをする事になってしまったらしく、スタッフも、そのバンドのメンバーも非常に困っているらしい。

「断れば良かったじゃん?」とTOKI

「いや、もちろん事前にそういうブッキングがあったら断わってたんですけど、今日の今日まで、そういうイベントとは知る事が出来なくて回避出来なかったらしいんです」と電話口で詳細に事態を説明する。

「で、そのバンドは何て言うの?」
「Laputaっていうバンドなんです」
「あ!名前は知ってるよ」
「何とか頼めないですか?」
「嫌だよ、そんなの!…みたいな事を俺が言わないのを知ってて電話かけてきたんでしょ?ハハハ」
「いや〜助かります!」

かくしてTOKIは見た事も話した事も無いバンドの窮地を救うべく、市川に車を飛ばした。

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