STEALTH 1st FULL ALBUM「アルストロメリア」の制作発表から2ヶ月。
8月1日には「アルストロメリア」に参加する全ミュージシャンの発表がなされ、レコーディングも終盤に差し掛かってるとの情報を受け、再度インタビューをTOKIに試みた。




STEALTH 1st FULL ALBUM「アルストロメリア」


TOKI(Vo/C4)
TAKURO(E&A.Guitar/GLAY)
K-A-Z(Guitar/Sads)
Junji(Bass/C4)
Tomoi(Drums/C4)



HISASHI(Guitar/GLAY)



永井利光(Drums)
永井誠一郎(Keybords)
紺野光広(W.Bass)
杉本圭一(Keybords)



佐久間正英(Bass&Manipurate)




------とうとう参加ミュージシャンが発表されましたね


TOKI:


ビックリしました?



------えぇ、とても!


TOKI:


いや、レコーディングも、ほぼ終盤に差し掛かってるんですけど、とにかく千変万化の状況に対応する為にアチコチのレコーディングスタジオを渡り歩いててね、とにかく大変です。



------K-A-Zさんの参加は昨年のSTEALTHの衝撃(2009年渋谷AXでの1st LIVE)を知っている身としては嬉しいニュースでした


TOKI:


そうですね。ブログにも書いたけど、K-A-Zくんが弾いてくれるとは思わなかった、いや、スケジュール的に思えなかった(笑)
だって、Sadsのアルバムとツアーが入り混じってた時なんですよ?しかも彼はDETROXとかの他にもいくつかバンドやってるし、もうね、どう考えても無理だと思ってましたね。だけどTAKUROの「ダメ元で言ってみよう!」的な発言で、ってまぁ、電話掛けるのは、やっぱり私なんですけど(笑) 経緯を話したら即OKが貰えてね。ギターも激熱だけど、人間も激熱だった。あの時は嬉しかったな。
やっぱりSTEALTHって言ったら自分の中ではTAKUROとK-A-Zがいてのモノだったからね。



------K-A-Zさんのレコーディングは終了したんですか?


TOKI:


いや、だってK-A-Zだよ?ギターの講師とかやってるんだよ?あんなだけど(笑)アルバムの過半数、というか4分の3の楽曲はK-A-Zが参加して くれてるんだけど腰抜かすほど激っ早で上げてきましたね。サウンド的には「やりたいようにやって!」って確かに言ったには言ったけど、本当にやりたいようにやってきてさ(笑)いわゆる「そういう曲」には音殺サウンドが大炸裂って感じです。



------TAKUROさんとかとのギターの兼ね合いの方は大丈夫だったんですか?


TOKI:


それ!それ自分はちょっと心配してたんですけど、TAKUROとスタジオに入ってる時、音のレンジが丁度イイところに存在しあってるんだよね。 お互い音楽のルーツとか、ほとんどクロスしないだろうけど、さすがに一緒にステージ踏んでるからね。 その辺はちゃんと考慮しあう事が出来てるんだろうね。



------JunjiさんとTomoiさんはどうでしたか?


TOKI:


ほぼK-A-Zと同時進行でレコーディングは開始されたんだけど、あの段階だと多分「アルストロメリア」の完成形をおぼろげにでも掴めていたのは私とTAKUROだけだと思うのね。そんな私の脳内に響くサウンドをウチのHIRO君が形にしてくれたの。もうスターウォーズのR2-D2とC-3POみたいな感じ(笑) それを道標にしてのレコーディングだったので、レコーディング中に「そこは、もっとこういう感じなの。この先、多分そうなるから」みたいな預言者だかイタコだかみたいな私の思いを、これまたR2-D2とC-3POみたいな感じで上手く汲み取ってくれてね。 Junjiくんは「兄さんじゃなきゃワケがワカらなかったかもしれない」とか言ってたしね(笑)とにかく最初は私とTAKUROしか見えてなかったから、そこから派生させていかなくちゃいけなかった。
でも、全ての参加ミュージシャンは必ずソコで繋がっているからね。人との繋がり、信頼関係が無かったら、このアルバムは絶対に出来無かったと思いますよ。



------永井利光さんは?


TOKI:


あぁ、あの人はワンテイク協会の会員だから、ってイヤイヤ(笑)永井さんには、これも前にブログで書いた事なんですけど、 2007年に自分の音楽の道というものに対して教えられてね。その時の事は今でも自分の中で大きな支えになっていますけど、まさか、3年後に STEALTHをやって、そのアルバムに参加してもらえるなんて夢にも思わなかったですね。
自分の人生の中で永井さんの参加は「アルストロメリア」が重要なアルバムになる大きな要因です。永井誠一郎さんにも、とても感謝しています。 誠一郎さんが連れてきてくれた紺野光広さんのウッドベースがイイ味出してるんですよ。イイ味って言えば、杉山圭一、通称おすぎって言うんだけれども (笑)彼のキーボードも卓越のレベルです。


------佐久間正英さんもベースで参加してらっしゃるんですよね?


TOKI:


いや、ベースに留まらず、他の楽器、マニュピとかもやって下さってます。もう単純にスゴくて、佐久間さんがRECしたモノをTAKUROが送ってきてくれて、 それを聴いた日にゃ国際電話を掛けてきたTAKUROと二人で、あまりにもトンでもないレベルのアルバムになってきちゃって、もうどうしよう的な感じで オロオロしてました(笑)



------そして!HISASHIさんの事を聞かせて下さい


TOKI:


いや、言うまでも無い事ですけど、HISASHIは「音を聴けば一発でわかる」っていう独自の音とプレイスタイルを確立してる数少ないギタリストだと思うんです。そして彼の存在は当たり前として、ギタープレイのファンっていうミュージシャンもメチャクチャ多いんですよね。
プライベートでは恐ろしく付き合いは長いし、くっだらない事してた思い出はイッパイあるけど「ギタリスト"HISASHI"」っていう面で、音源でのコミュニケーションを取ったのは今回が初めてなんだよね。ライヴのセッションでは何回か一緒にステージに立った事はあるけど今回は少し緊張した。
お互いの会話は、まぁ、相変わらずなんだけど、音がさ、泣く子も黙る有料単独公演世界記録保持バンドTHE "GLAY"の音がするんですよ。



------ここまで聞いていても音が想像できません。「アルストロメリア」についてTOKIさんが触れる時「楽曲の幅広さが普通じゃない」って必ず仰いますよね?サウンド面も含めて、そろそろその辺の事をお聞かせ願えませんでしょうか?


TOKI:


そうですね、我ながら参加メンバーが決まった時には想像もつかなかったんですが、これがね、一つになってるんです。
もうSTEALTHとかそういうのじゃなくて「思い」だろうね。「思いが音を一つにさせてる」そんな感じですね。ただ、問題が二つあったんです。



------え?それは?


TOKI:


一つは歌詩です。TAKUROが創った旋律に、これだけの思いが乗っかったサウンドに対応できる歌詩っていう部分で、凄く煮詰まっちゃってね。 とある楽曲を自分の感性で音を聴くと「哀しみ」しか見えない。でも、これだけのメンバーが創ったサウンドに対して「最初から最後まで哀しみだけで何の出口も見えない」みたいな歌詩でイイんだろうか?って疑問になっちゃってね。でも、何回聴いても、そういうのしか浮かばなかったし、見えなかった。 作曲者であるTAKUROなら上手く書けるんだろうな、って何回も思ったね。でも、作詞作曲ともTAKUROとなれば、その楽曲は「GLAYであるべき」だし、 ここは何としても自分で自分の殻を破らなきゃっていう状況に追い込まれました。



------その結果は?


TOKI:


その状況下で、やっぱり思ったのは私の歌詩を誰よりも知っているC4を応援して下さっている方々の信頼と期待に応えなきゃ!っていう部分でした。 プラス、私は便宜上、今は[C4/STEALTH TOKI]と表記していますけど、絶対的に「C4のTOKI」である訳だから「C4という帰るべき場所ありき」の歌詩でイイ!って思い切れたのは大きかったな。「C4もSTEALTHも書く事は全く同じ」っていうのは避けたかった。
無論、架空も嘘も無いという定義は、私の歌詩の基本的なポリシーなので、そこは曲げるつもりはありませんが、この「アルストロメリア」の歌詩の評価次第では、C4に大きなミヤゲを持って帰れると思っています。



------具体的に、どういう冒険をなされたんですか?


TOKI:


いや、冒険つっても書いてるのは私ですからね、C4とは収録曲の全部が全く違うって事は無いですよ(笑)部分的に大冒険をしてるって言う方が正解かな?


------それを具体的に言うと?


TOKI:


突っ込んでくるね(笑)



------えぇ!TOKIさんの歌詞が大好きなもので(笑)


TOKI:


[-sickbed-]っていう曲があるんだけど、「これは個人的に大事な曲だからね!」という余計なプレッシャー付きで受取ったのよ(笑)
受取ってスグに[-sickbed-]っていうタイトルが浮かんでね。それの定義に合わせて歌詩をつけていったんだけどさ。私はC4の歌詩に説明は要らないって、 よく言ってるんですけど、[-sickbed-]は説明どころか、ちょっとした小説みたいな感じなんです。具体的にも程があるってくらいのレベルで。



------はい


TOKI:


あまりにもリアル過ぎて「これ、大丈夫かな?」っていう不安があったんです。先程言った「冒険しよう!」っていう定義の下に言っても、あまりにも冒険し過ぎてるっていう不安と恐怖があったんです。それこそ自分のソロ作品とかじゃなきゃ許されないレベルとでも言うのかな?とにかく不安でした。 でも、何回も、その歌詩で歌って「この曲には、この歌詩しかない!」っていう自信も芽生えてきてさ。最初にTomoi君とヒロ君に聴かせたの。 そしたら「もう、言葉になりません」みたいな事を言われて、無論イイ意味でね。で、それをとうとうTAKUROに渡したのよ。いや〜、もう渡した時から思いっきり否定されるか思いっきり賞賛されるかのどちらかなのかは分かってたから、ヒヤヒヤもんだった(笑)そしたら「聴いたよ。・・・凄いよ。本当に素晴らしい曲になった」って言ってくれてね。以降は凄く自信を持って冒険するようになった。みたいなエピソードがあったのよ。



------[-sickbed-]ですね。楽しみです


TOKI:


あと「Alstromeria」っていうアルバムと同じタイトルの曲があるんだけど、これは子供達を対象に書いた歌でね。人生で初かな?子供達を対象にして書いたのは。これはアコースティックで、この前TAKUROとの公開収録(20108月1日,江東区台場「GLAY LiB CAFE/TAKURO MOBILE MEETING公開収録」)で一回演りましたね。「アルストロメリア」は福祉がキッカケで創られるアルバムだけど、そういう事に触れて書いた唯一の楽曲です。


------なるほど。残るもう一つの方の問題を教えて下さい


TOKI:


それはやっぱ歌ですよ。例えばさっき言った[-sickbed-]の歌詩はそういう感じなので、抑揚をつけるのか朗読っぽく棒で歌った方が良いのか、その針の振り方が微妙でね。結果、[-sickbed-]は前半は抑揚をあまりつけずに、後半は部分部分に抑揚をつけて、とかさ。 [-Alstromeria-]に関しては、あんまり抑揚に針を振っちゃうと止め処なく溢れ返っちゃうんで(笑)とかね。そういうバランスを取りながらRECしてたんですけど、これだけの男達の思いが入ったサウンドがヘッドフォンに流れる度に感極まる時が多くてね(笑)でも、その先にC4を応援し、待って下さっている方々とか、友愛学園の子供達、職員さん達の事とか、STEALTHの音を楽しみにして下さっている方とか、Keasler Japanのスタッフの顔を思い浮かべて頑張ってました。もう自分の横っ面をRECブースで何回張り倒した事か(笑)自分で言うのもナンだけど、私のビンタはかなり痛いです。 一瞬クラッとしますから(笑)



------みんながTOKIさん頑張り過ぎないで!と思ってましたよ


TOKI:


いや、自分の事なんてどうだっていいと思っているんですよ。無論、自分が倒れたら色々な面で支障をきたすでしょうけれど(笑)でもさ、私に出来る事は突き詰めると、きっとそんな事しかない。今回のSTEALTHに関してなんやかんや言う人もいたし、思いと言うよりかは参加ミュージシャンのファンとして「アルストロメリア」を楽しみにしてくれている人もいる。まぁ、人それぞれだと思うんです。何を言っても解ってくれない人もいるでしょう。 結局は私という人間を良く見ようとする視点で見てくれているか、そうでないかに尽きると思うんです。私のやる事、やっている事には必ず意味がある。 それの説明が為されていない時は裏側に明かせない理由が必ずある。私はTOKIという存在を根底で信じてもらえるようにC4を頑張ってきたつもりです。 TOKIという存在が上っ面で行動する事は何より私が許しません。全てに必ず意味がある。 そういう事を信じてもらうって事を突き詰めると、ブログとかで一生懸命状況説明をする事ではなく、妙な策を弄する事でもなく、ただただ愚直に「アルストロメリア」を完成させて、身体で感じてもらうしかない、と思うんです。とにかくね、今回のアルバムは自分的にあまりにも背負うモノが多すぎる。 でも、自分に限界はない。ギブアップはない。出来ないとは言わない。そういう私の姿を見て欲しかった。私自身にも見せたかったしね。



------「人を知るには、その人の友人を見ろ」という諺があるじゃないですか?TOKIさんという存在自体が上っ面だけの人だったら、これだけのメンバ−は集まらないと思います


TOKI:


自分にとって人との出逢いこそが最高の財産だと思っています。私はTOKIという存在に理想の男でいて欲しいだけなんです。 その為には無茶もするし、まぁ、正直辛い時もありますよ、ヤセ我慢が基本ですから(笑)漫画とか映画の中なら人気バンドのメンバーが集結してチャリティアルバムを創る!なんてありそうだけど、現実の世界でそれを本当にやるなんてのは、相当の思いと不屈のガッツが無ければ絶対に出来ない。 最初は「子供達の為に」って言うのが入り口だったけど、今は「それに立ち向かう男達の姿」っていうのを世に訴えたい。こんな非効率的で精神力と労力のかかる事をやるミュージシャンは、そうはいないと思う。だってバンドってさ、突き詰めれば自分以外の人を応援する事とも言えるでしょ? そういう対象になるべき人ってのは、それ相応のモノを持っていなければ!って思うの。そして、そんなモンを生まれながらにして持っている人はいない。 やっぱ努力を人一倍重ねる事が出来る人でなければなって思うんです。「俺はTOKIってヤツを応援してんだよ!」「私はC4っていうバンドが大好きなの!」「STEALTHのアルバムを買おうと思ってるんだ」っていう事に胸を張らしてあげたい。それは私だけじゃなくて全参加メンバーも思っている事だと思う。じゃなきゃこんなに頑張れないよ(笑)



------ご自分に厳しいのは良く存じてますけど、無理はしないで下さいね


TOKI:


いや、無理でも無茶でも、今はそれをする時です。言い換えれば自身のカラを破るチャンスとも言える。私は人に言っておいて自分は出来ないっていうのがイヤでね。口で偉そうな事を言うなら誰でも言える。とにかく私はTOKIという存在を通じて何事もリアルに感じて欲しいって事です。 ファンタジー要素は自分にはもう要らない。



------わかりました。では身体を壊さないように!と言い換えさせて下さい


TOKI:


う...わかりました(笑)



------それで気になるアルバムの発売日なのですが・・・


TOKI:


そうなんだよね。本当は9月末に発売するつもりだったんです。その根拠はただただC4の今までの音源のスケジューリングに合わせたっていう一点だったんです(笑)だってC4の音源は「必要としてくれている人の手元に確実に届くだけで良い」って思ってたからね。ただ、この「アルストロメリア」に関しては子供達の為になるっていう事から「なるべくたくさん売りたい!」って思ったの。その辺はTAKUROとも話してね。もうすぐ、もうすぐ発表出来ると思います。



------それでは最後に一言お願いします


TOKI:


C4ではギタリストを募集しています!いや、本当に(笑)この「アルストロメリア」の先に見える景色を一刻も早く皆さんと見たいです。