2024年4月17日(水)に発売が決定した[-Alstromeria/PROCEED-]。
今回は発売に至るまでの経緯や参加メンバーについてをTOKIにインタビュー。





------アルストロメリア/プロシードの詳細が発表されましたね。まずは経緯をお伺いしたいです。


TOKI:


2020年に起きたコロナ禍における送り手側からの一つのアプローチとしてGLAYのTERUのプロジェクト「LIVE at HOME」っていうのがあって、その年の10月31日にVol,5かな?6かな?それが奇しくも私の誕生日ってのがあったのでTERUが「LIVE at HOME」に呼んでくれたんですよね。その出演の影響だったのか、前作の「Alstromeria」が完売して、もう既に追加プレスもしている状態で、それをも無くなったという事で"どうしようか?"って感じになったんです。
それで当時はまだ(※有観客)ライヴも出来ない状況下だったので「新たにレコーディングして"進化版"として発売してみたいんだけど?」ってTAKUROに話したら「勿論OK!」という事で制作が決定となりました。

------ですが、発売を延期にしましたよね。その理由は?


TOKI:


それはやはり世情における経済的な問題です。制作を発表した時は経済的というより感染の拡大や罹患の恐怖に意識が集まっていたのですが、2021年になるとソコからの流れとして重大な経済的問題に発展し、続々と倒産する会社や生活に困窮する声がアチコチから聞こえてきて、何かを発売する流れを見出せなかったんです。C4の作品に関しても最低限の最低限の発売に留めました。

------参加メンバーや収録内容についての変更もあったりしたんですか?


TOKI:


いや、それは無いです。と言うか大前提としてAlstromeriaの本義は1stで完全に果たしていましたから、進化版においては"1stを購入して頂いた方は勿論、初めてSTEALTHの作品に触れてくれる方にも喜んで頂ける内容にするのが第一義"と捉えていましたので、あくまで1stを骨子として、それに肉付けなり刷新を加えて、更に1stの時にあった制約を良い意味で外して制作するべきと思っていたので、発売の延期で内容に影響ってのは全く無いです。

------TOKIEさん、DJ Mass MAD Izm*さん、REOさん、そして大村孝佳さんが新メンバーとして参加されていますね。お一人づつ参加のエピソードを教えて頂けますか?


TOKI:


TOKIEさんはもう、完全に波長です。どこかしらでお会いする度にいつも本当に女性らしい柔和さで接してくれて、そのお人柄に惹かれて惹かれて、っていうのは誰もがそうなんじゃないですかね?
Alstromeriaに関わらず、親の愛に逸れた子供達に対する想い、それは多分、慈愛という言葉で表現されるのが適していると思うのですけれど、慈愛という言葉は、やはり母性を想起させる中で、TOKIEさんの存在は"そういうモノ"を感じていたので、、とは言いながらもビッグネームですからね。でもダメ元でお願いしたら快くOKして頂いて、いやもう本当に感謝しています。

------DJ Mass MAD Izm*さんとは?


TOKI:


Massさんとは先ほどの「LIVE at HOME」が初めてで、DREAMS COME TRUEや西野カナさんとか錚々たるアーティストの方々との連携がある凄い方なんですが「それだけ売れてる方なら自分とは以降の関係は無いだろう」という事で馴れ馴れしいのを飛び越えて失礼の極みみたいな事を連発したんです。いわゆる昔の私とTAKUROのやり方で言うなら「打って」みたんです。そしたら「鳴った」という事で、何も無くても一緒にいれる人間関係を構築出来ました。
そんな中でMassさんが「LEONAIR」(リオネア)というバンドを結成して、そのサウンドをYouTubeで聴いた時に結構な衝撃を受けまして、さっき言った「1stの刷新」という面においてMassさんが力を貸してくれれば本懐、という意識になってお願いしたんです。ただそのお願いってのがMassさんについては"プレイヤー+ディレクション"という誰よりも負荷が掛かるポジションだったんで、さすがに気は引けたんですけど、やはりMassさんは断らないんです。結局、一番惹かれたのはTOKIEさんにしてもそうなんですけど、その人間性なんです。そこに惹かれ、そういう人に参加してもらえたら、このAlstromeriaという作品の本質により近づける。そういう思いもありました。

------素晴らしいです。REOさんの参加の経緯もお願いします。


TOKI:


REOさんはMassさんが最も信頼するピアニストってのが入り口だったんですけど、一見、彼女と言えば「超絶技巧」となるんですけど、昭和歌謡の世界観が好きだったり、彼女自身は見せないんだけど、自分の人生に葛藤し、闘ってる姿ってのが滲み出てるんです。葛藤する内容を具体的に聞くほど野暮じゃないけど、その佇まいに惹かれましたね。
全然違う話かもしれないけど、1stの[-sickbed-](※PROCEED版ではSickbedと表記)で私の昔の事を明かして、それが誰かの何かしらになった。少なくても友愛学園という施設の修復に役立てた事は確かで、そういう…何て言うか、人生における"葛藤を糧に"っていう部分で、彼女に参加してもらいたかったんです。

------なるほど。そして最後に大村孝佳さんとなります。


TOKI:


1stの時には出逢えていないので参加はしてないんですけど、C4は勿論、彼とやっているMy Little God然り、っていうかそもそもアイツは友愛学園に来てギターとか弾いてくれましたからね。
だからもう(STEALTHに次作があった場合、必ず)ってのは自分の中に強くありました。本作品のSTEALTHという中では"超絶技巧"という面でREOさんとも共通項、そしてMassさんとの化学反応、そしてTOKIEさんと大村がプレイする楽曲もあるっていうエキサイティングな部分もありつつ、STEALTHの全局面を支えてくれるTAKURO、そしてミスターGLAYサウンドであるHISASHIというビッグバンドのギタリスト、そして間違いなくSTEALTHの要であるK-A-Zのギターと大村を融合させると、どんな風になるんだろう?っていう私個人の興味の部分がありました。結果、制作過程における頭脳としてMassさんと大村の連携は鬼でしたね。あの二人は以降、何かを一緒にやるかもしれないなってくらいにまで思いました。

------相性抜群だったんですね。


TOKI:


少なくても相性ってのが合わないと何をやるにも難しいですが、全ては"人間性"だと思います。
きっとね、私が最も響くのは「誰かの為に」っていう部分で自分の力を使えるか?って事だと思うんですが、私みたいな人間の為に、これだけの人が力を貸してくれる。
誰もが自分の感性を道標にして生きている中、私も自分の感性を道標にして生きてきていますが、1stの時はソコに全く自信が持てなくて、それを諭してくれたのが佐久間(正英)さんなんですよね。「TOKIさんは正しいよ。間違ってないよ。もっと自信持って!」って何回も言われましたけど全く持てなくてね。だって私、歌、上手くないですからね。2015年からヴォーカルレッスンを受け始めて、ピアノも練習して、それまでのTOKIとは段違いなレベルにまでは持ってこれた気はしていますが、私は元々ソコを見られていない気がココまで来て分かった気がします。それこそが佐久間さんが言おうとしていた事なんだと気づけて、、とは言いつつ、自分に点数はやれないですけど。ただ「申し訳ない」っていう気持ちは、もう越えなきゃいけないと自分を律したんです。
そこは「ありがとう」という形だけに自分の心を染めないと進化版を作る資格は無いと思いますから。それに付随する事として、、って勝手に喋ってますけど大丈夫ですか?

------大丈夫です(笑)どうぞ!


TOKI:


前述の「1stの時の制約」を取り外したかったんです。
予算を掛ければ良いモノが出来るとは限らないけど、削り過ぎるのは作品の完成度を阻害する可能性が高くなるのも事実だと思うんです。
1stは工夫とアイデアとバイタリティで何とか作り上げたので"あの当時、あれ以上は出来なかった"と言い切れるけど、自分の歌唱力、表現力、自分以外の部分で言えば選択したエンジニアとのコミュニケーション不足など、時間と予算を相当に意識した事で満足とは言えない部分も多々あったんです。今作はソコの一切を取り払いたかったってのがあります。Alstromeriaの本義は1stで果たしていると言いましたよね?なので今回の第一義は「納得いくまで創る」っていう当たり前っちゃ当たり前の事を貫きたかったんです。1stの時は1stしかなかったけど、あの後LIVE DVDを2作品リリースして、その売上げも支えとする事が出来ている中、私の"TOKI"という部分の残された時間も意識した上で制作、そして"STEALTHのアルバム"として自分の歴史に確り残せる作品にしたかったんです。

------1stのAlstromeriaの再販という形にしなかったのには理由があった、という事ですね?


TOKI:


全ては"流れの中にある"と思うんです。
そういう流れを感じ取り、実行していくだけの行動力、STEALTHの場合はTOKIっていう男が"やりたい"って言ってる事を、TAKUROが無条件で力を貸してくれるっていう事が軸になっている中で、もう一切の悔いを残したくないんです。さすがにもう1stを創った40ソコソコの私より、今はやりたい事をやれるだけの知恵とか力もありますし。
それこそ最初に友愛学園に行って、子供達に会った帰り道では涙を流しながら燃えていた自分がいましたけど、もうアレから10数年も経って、今でも毎年毎年やってますからね、平常心で"人として"、または"一人の大人として"やるべきと思う事をやっているに過ぎません。私を信頼して託してくれる方々の思いは途切れることなく私の心を動かしてくれます。
そうやって生かされている事、自分の使命を作ってくれる事に本当に感謝をしています。
今回の作品は新たに"その核"にするべくっていう目的に向かって沢山の力や思いを結集出来たと思います。

------発売を楽しみにしています。リリース後の動きとかについて何か告知出来る予定はあったりしますか?


TOKI:


ドラムのTomoiくんが昨年(※脳梗塞)倒れて、まだちょっと復活できていないので、インストアイベントとかはやりたいと考えています。
出来たら今回の参加メンバーの誰かしらにもランダムに参加してもらった形で。いや〜今作品には頑張ってほしいのでプロモーションは頑張りたいですね。

------頑張って下さい!ありがとうございました!